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生きる

| 昭和の映画 |

1952年(昭和27年) 東映映画 モノクロ
○君の名は放送開始
○「24の瞳」「アンネの日記」刊
○羽田空港開港

監督・脚本 黒沢明
出演 志村喬 小田切みき 藤原釜足 日守新一 千秋実 金子信雄 渡辺篤

癌告知がまだタブーだった1952年。
「軽い胃潰瘍で手術は不要。消化のよいものなら何を食べても」と医者から言われたら癌に間違いなく、「死刑宣告」に等しい、と主人公志村喬は病院待合室で未知のおとこ(渡辺)から問わず語りに教えられるシーンは今濃密なリアリティをもつ。
告知が当然となった現在でも癌はなお人間の尊厳に対する配慮がなされても「死」に直面する不安と絶望感から逃れることはできない。
待合室シーンは、映像的にも計算が行き届いている。
画面全面で志村、渡辺が癌問答をする後方では、癌患者に擬せられた男の頼りなげな姿や看護師の立ち働く姿が映し出されており、
奥深い画面構図のなかで主人公の癌への不安が吹き出してくる様子が鮮やかに描ききられている。